eegとfmriの違いを徹底解説！脳を測る2つの方法がわかる入門ガイド

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eegとfmriの違いを理解するための基礎

この節ではまず、 EEGと fMRIがどういうものかをざっくりと押さえます。

EEGは頭皮に電極をつけて、脳が放つ電気活動を直接拾う方法です。時間の経過に対する反応はとても速く、
ミリ秒単位の「変化」をとらえることができます。これが意味するのは、私たちが何かを考えたり、感じたりする瞬間の“タイミング”を詳しく追えるということです。

一方の fMRIは、脳の活動によって変化する血流のスペース的な分布を見ます。磁場の力で血流の変化を画像として捉えるため、
空間的な情報量が豊富で、どの領域が活動しているかを“場所”ベースで把握しやすいのが特徴です。

つまり EEGは<strong>時間の情報に強い、fMRIは場所の情報に強いという性質を持っています。

EEGとは何か

EEGは頭皮に配置した複数の電極で脳内の電気信号を拾います。

伝統的な睡眠研究や発作の検出、認知課題に対する反応の時系列を観察するのに向いています。

EEG信号はノイズが多く、体の動きや目の動きの影響を受けやすいですが、それを除去する処理やイベント関連ポテンシャルといった分析手法を使えば、
“ある刺激が来たとき脳がどう反応するか”を詳しく知ることができます。

さらに装置は比較的安価で、持ち運びも容易、実験室以外の場所でも測定がしやすい点が魅力です。

fMRIとは何か

fMRIはMRIの一種で、脳内の血流の変化を画像として観察します。

脳活動が高まると酸素供給が増え、血流が増えるため、BOLDと呼ばれる信号が出ます。

この信号を空間的に高精度で捉えることができるため、どの部位がどのタスクに関与しているかを詳しく知るのに向いています。

ただし、信号を取り出すためには強力な磁場が必要で、装置は高額、検査は静止して長時間行う必要があり、金属を身につけられないなどの制約があります。

研究室の中だけでなく、病院での診断補助にも使われることがありますが、日常的な測定にはあまり向きません。

測定の違いとデータの扱い

EEGと fMRIの最大の違いは、データの性質と解釈の仕方です。

EEGは電位の変化を時間軸で追い、事件関連電位（ERP）と呼ばれる反応のタイミングを検出します。

これに対して fMRIは空間的な情報が豊富で、脳のどの領域が活動しているかを場所ベースで示します。

研究の設計も異なり、EEGは速い反応を追う実験、fMRIは脳の機能地図を作る実験に向いています。

データ処理にはそれぞれ異なる手法があり、ノイズの対策や信号の強さを評価する指標も異なります。

さらに、実験の目的が何かによって、両方を組み合わせて使うこともあります。例えば、ERPの時間情報とfMRIの空間情報を同時に見たいときには、同時収録という方法が検討されます。

主要な違いをまとめた表

以下の表は、両技術の代表的な違いを簡単に比較したものです。読み進める前に、どのような課題に対してどちらを使うべきかの指針を掴むのに役立ちます。

e> 項目 EEG fMRI 時間分解能 ミリ秒単位の変化を検出 数秒程度の遅延を検出 空間分解能 頭全体の信号を混合して見える 脳の微細な部位まで高解像度 環境・装置の制約 比較的低コスト、ポータブル 高額、静止、磁場制約あり 安全性・非侵襲性 非侵襲・安全 非侵襲・安全（磁場に対して注意） 適した研究用途 認知タイミング、ERP、睡眠・ epilepsy など 機能的地図、局在、脳領域間の結合性

ピックアップ解説

友達と雑談する感覚で言うと、EEGは『脳の時計』みたいなもの。何がいつ起きたかを細かく追えるけど、場所はぼんやり。だから“どの脳の部分が活動しているか”を知るには追加情報が必要になることが多い。一方で fMRIは『脳の地図』と考えるとわかりやすい。どの部分がどんな処理をしているかをはっきり見せてくれるが、時間は遅く、実験は大きな設備と静かな環境を要求する。二つを組み合わせると、脳のたくみに満ちた動きを、より正確に追える可能性が広がる。要するに、EEGは時間、fMRIは場所、それぞれの強みを活かして使い分けることが大事なんだ。

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